<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=272593697052428&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">

全国の16 歳以上の男女1000 人に聞いた

「インクルーシブな取り組みに関する意識調査」
「ジェンダーレストイレの整備をすべきだと思う人は58.358.3%
一方、ぜひ利用してみたいと思う人は27.427.4%
インクルーシブマーケティングの研究と実践を目的に
「インクルーシブマーケティングラボ」を設立し、調査を実施

AdobeStock_522298388

生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は、インクルーシブマーケティングの研究と実践を目的に「インクルーシブマーケティングラボ」を設立し、全国16 歳以上の男女1,000 人を対象に「インクルーシブな取り組みに関する意識調査」を実施しました。



【調査概要】    
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEB
アンケート方式で実施
調査の対象:全国の16 歳以上の男女
有効回答数:1,000 名
調査実施日:2023 年9 月5 日(火)~2023 年9 月8 日(金)


■インクルーシブマーケティングラボについて
「インクルーシブマーケティングラボ」(以下「IM ラボ」)は、多様性と包括性に焦点を当てたマーケティング手法である「インクルーシブマーケティング」に関する調査・研究を行い、その情報を共有し、インクルーシブなアプローチを用いて広告、PR 、ブランディング、コミュニケーション戦略などのマーケティング活動に関するソリューションを開発し、顧客企業や団体に提供する組織です。
IM
ラボは、マーケティング領域での専門知識を持つマーケッターやリサーチャー、PR プランナー、デザイナー、学識経験者などが中心となり構成され、所属や年齢を問わず、さまざまなバックグラウンドや専門知識を持つ人々を広く募り、多様性のあるメンバーが参加する組織を目指します。これにより、いろいろな視点やアイデアを取り入れ、より包括的で多様性を尊重するマーケティング活動をサポートします。


■インクルーシブな取り組みに関する意識調査
本調査は、インクルーシブな視点から経済活動に関連する問題や社会的な課題の解決を目指す企業や団体の取り組みについて、それらが報道されたニュース記事を閲覧した際に、どのような意見を持つのかを収集し、世間の反応を把握することを目的に行いました。異なる視点がある可能性を考慮し、男女それぞれに広範な年齢層から回答を収集しています。

■調査項目

  1. 大学構内にジェンダーレストイレを設置することについて
  2. 教育現場においてLGBTQの子どもに理解と配慮を促進する必要性について
  3. 「ミス〇〇」を選出することについて
  4. 女性のトラックドライバーを「トラガール」と呼ぶことについて
  5. 野球の捕手を「女房役」「正妻」と表記することについて
  6. 企業や自治体が実施する取り組みを事前にアンケートなどで確認する必要性について

調査結果のポイント

■ジェンダーレストイレの整理をすべきだと思う人は58.3%。一方、ぜひ利用してみたいと思う人は27.4%

男女が分け隔てなく利用できる「ジェンダーレストイレ」を「整理をすべきだと思う」に「あてはまる」が21.2%、「ややあてはまる」人が37.1%でした。一方、「ぜひ利用してみたい」との回答は「あてはまる」が8.0%、「ややあてはまる」が19.4%に留まりました。賛成意見としては「ジェンダーフリーが公然となってきている時代には必要」、反対意見としては「犯罪の温床になりそうだから」などがありました。

■新聞記事で野球の捕手を「女房役」や「正妻」と表記することは見直されており、16〜29歳女性は61.0%が「見直すべき」と回答、反対に50代男性は80.0%が「見直す必要なし」と回答。

夏の高校野球を報じる新聞記事における「女房役」「正妻」といった捕手の表記は見直されていますが、表現を見直すべきかという質問に、見直すべきであると回答した割合が最も高かったのは16〜29歳の女性で「あてはまる」が24.0%、「ややあてはまる」が37.0%でした。反対に、見直す必要がないと感じている割合が最も高かったのは50代男性で「あてはまらない」が50.0%、「あまりあてはまらない」が30.0%でした。

■企業や自治体として実施する取り組みについて、不快感を抱く人がいないか事前にアンケートなどで確認すべきだと考える人は55.1%

企業がマーケティング活動を行うにあたり、表現や取り組みが社会に受け入れられるものであるか、少数でも強い不快感を抱く人はいないか事前に調査すべきか尋ねたところ、「とてもそう思う」が16.6%、「ややそう思う」が38.5%でした。


画像1-Nov-13-2023-06-05-08-1483-AM

 

調査データのダウンロードはこちら

1. 大学構内にジェンダーレストイレを設置することについて
性的少数者への理解と尊重を促進する取り組みとして、複数の大学が「ジェンダーレストイレ」を構内に設置すると発表したことについて、どう感じるかをお聞きしました。

画像2-Nov-13-2023-07-43-08-0553-AM
ジェンダーレストイレの設置に「興味(関心)がある」と回答した人は44.4%、「重要なことだと思う」と回答した人は59.5%にのぼりました。全体としてジェンダーレストイレに対する興味関心は高く、重要性についても認知されつつあると考えられます。

一方、ジェンダーレストイレを自分自身の問題として捉えているかを問われると、「ぜひ利用してみたい」(27.4%)、「自分にも関係すると思う」(22.8%)と、大きく割合が下がることが見て取れます。いずれも「あてはまる」と明確に回答した人は1割を切っており、肯定的な意見の中には当事者としての見解ではない声も多く含まれている実態が垣間見えます。社会的な関心の高さと、個々人が自分自身に関わる問題として捉えることの間には、必ずしも高い関連性があるとは限らないのです。

 【意見の一例】

 (ジェンダーレストイレの設置に賛成)
 ・ジェンダーフリーが公然となってきている時代には必要なことだと思う。
 ・いろいろな人が行きやすいように整備できるなら整備するのはいいと思う。

 (ジェンダーレストイレの設置に反対)
 ・犯罪の温床になりそうだから。
 ・男女すべて個室にしたり、多目的トイレで対応したりできる気もする。

 

■2. 教育現場においてLGBTQの子どもに理解と配慮を促進する必要性について
次に紹介するのは、教育現場におけるLGBTQの子どもへの対応に関する質問です。LGBTQの子どもたちは、自身がLGBTQであることをカムアウトできず、学校での男女分け等に悩み、孤独感を抱えてしまうといわれています。教育現場でのトランスジェンダーへの理解と配慮の必要性があると感じるかお聞きしました。

画像4-Nov-13-2023-08-11-43-9555-AM

教育現場での理解と配慮が必要と答えた割合が最も高かったのは16〜29歳の女性で、「あてはまる」「ややあてはまる」との回答が83.0%にのぼりました。反対に必要性を感じない割合が最も高かったのは16〜29歳の男性で、45.0%が「あまりあてはまらない」「全くあてはまらない」と答えています。

年齢層別に見ると、男女とも30代は必要性を感じる人の割合が他の年代よりも低く(男性60.0%、女性69.0%)、60代以上は男女ともに必要性を感じる人の割合が高い(男性80.0%、女性82.0%)ことがわかります。
教育現場で当事者となり得る16〜29歳の捉え方が、男女間で大きく分かれていることは注目に値するでしょう。全体の傾向からも、男性(65.0%)よりも女性(78.4%)のほうが理解と配慮の必要性を感じていることが見て取れます。

【意見の一例】

(教育現場での理解と配慮に賛成)
・『特別扱い』ではなく『配慮』であれば適切な形で行われるべきだと考えるため。
・当事者にとっては重要な問題だと思うので。

(教育現場での理解と配慮に反対)
・過剰な配慮をすることは却って社会の分断を招く。
・新たな差別を招く可能性がある。

3. 「ミス〇〇」を選出することについて

次に、「ミス〇〇」を選出することについてどう感じるか意見を求めました。2023 年度より、沖縄観光大使である「ミス沖縄」の選出事業が休止しています。応募対象を女性に限っていることがジェンダー平等の観点に欠ける、といった声が上がったことが休止の主な理由です。「ミス〇〇」が問題視されつつあることについてどう感じるか、今後どのように対応していくべきかをお聞きしました。
「性別に関係なく人選すべき」と回答した人が56.856.8%にのぼる一方で、「ミス〇〇はあってもよい」という回答が全体の56.156.1%を占めていました。性別を女性に限定することに対して抵抗を感じる人が少なくないものの、「ミス〇〇」自体は存続しても問題ないと感じている人が多いことがわかります。
なお、「ミス〇〇」が「自分にはあまり関係ない」「全く関係ない」と感じている人が全体の83.183.1%だった点にも注意が必要です。「性別に関係なく人選すべき」といった意見の中には、当事者として回答していないものも少なからず含まれている可能性があります。前出のジェンダーレストイレに関する調査にも見られたように、重要な問題であるとの認識を示しながらも、自分自身が直接関係する問題ではないと捉える人もいることの表れとも捉えられるからです。
裏を返せば、たとえ当事者でなかったとしても社会的に重要度の高い問題と捉え、抵抗や違和感を覚える人も少なくないことを示しています。

 【意見の一例】

 (性別を問わず人選することに賛成)
 ・PR する人は未婚女性に限るという考えは間違っているから。
 ・ルッキズムへの問題提起もあると思ったから。

 (性別を問わず人選することに反対)
 ・ジェンダー平等だからといって何もかも変えればいいとは思わない。
 ・ジェンダー平等の意味を履き違えている

4. 女性のトラックドライバーを「トラガール」と呼ぶことについて

次に、女性のトラックドライバーが「トラガール」と呼ばれていることについて意見を求めました。女性トラックドライバーは現状まだ少ない一方で、物流業界は慢性的な人手不足に悩まされています。国土交通省は業界のイメージ改革を図るべく「トラガール促進プロジェクト」を発足させました。しかし、当の女性ドライバーの中には「トラガール」という呼称に対して批判的な意見をもっている人や、偏見に悩まされている人も少なくありません。「トラガール」という呼称を用いることについてどう感じるかをお聞きしました。
 画像6-Nov-13-2023-08-51-48-2347-AM

「トラガール」という呼称に明確に反対と回答した人は7.6%に留まりました。54.2%は「どちらともいえない」と回答していることから、女性ドライバーが尊重されていない、配慮に欠けるといった強い印象は受けない人も多いことがわかります。
一方、別の質問ではより一般的な例として「〇〇ガール」「〇〇男子」といった呼び方や、自分自身がそのように呼ばれることに対して抵抗はないかを調査しました。すると、「抵抗がある」「やや抵抗がある」と回答した人の割合は53.4%にのぼったのです。

「〇〇ガール」や「〇〇男子」といった呼称には、ジェンダーに加えて特定の要素をもつ人をカテゴライズする響きがあります。人をそのようにカテゴライズすることや、場合によっては自分自身にレッテルが貼られてしまうことに対して、抵抗を感じる人は少なくないことが見て取れます。

【意見の一例】

(トラガールなどの呼称を見直すことに賛成)
・ドライバーはドライバーとしてすべて尊重すべきだと思うから。
・性別で職業の言い方を分ける必要はない。

(トラガールなどの呼称を見直すことに反対)
・ただの言葉狩りでトラガールの呼称が可愛くて気に入る女性もいるはずだ。
・偏見があるというのも事実だろうが、逆に、特別扱いされることも事実だと思う。

 

5. 野球の捕手を「女房役」「正妻」と表記することについて
次に、野球の捕手を「女房役」「正妻」などと表記することについて、どのように感じるかをお聞きしました。全国高校野球選手権に関する報道において、捕手を「女房役」と表記することにより男女の役割分担を強調している・ジェンダー平等に反するといった意見が聞かれます。ジェンダー平等に配慮する観点において、表現を見直す必要があるといわれていることについて、回答者はどのように感じているのでしょうか。

画像7-1

表現を見直す必要性を感じないという回答が全体の60.0%を占めていました。見直す必要性を感じない人の割合が最も高かったのは50代男性で、80.0%が「あてはまらない」「全くあてはまらない」と回答しています。反対に見直す必要性を感じている割合が最も高かったのは16〜29歳女性で、61.0%が「あてはまる」「ややあてはまる」との回答でした。

特定の分野で長年にわたり使われてきた言葉であっても、時代に合わなくなっていくことは十分に考えられます。現代では「女房」という表現はあまり使われなくなっているため、言葉の響きそのものに違和感を抱く若い世代も少なくないことが推察されます。

また、全体的な傾向として男性よりも女性のほうが表現を見直す必要性を感じている傾向が見られます。全年齢で「表現を見直すべき」と回答した男性は31.6%だったのに対して、女性は48.4%と半数近くの人が見直す必要性を感じており、男女間で捉え方が異なるのは明白です。日頃から野球特有の用語を聞き慣れている人と、そうでない人との間で認識にギャップがあることも想定されます。

【意見の一例】

(女房役という表現を改めることに賛成)
・尽くして支えるのは女性という先入観だと思うから。
・男尊女卑のイメージがあるので表現を見直したほうがいいと思う。

(女房役という表現を改めることに反対)
・野球の本質をわかっていない。
・伝統は必要。

 

 

6. 企業や自治体が実施する取り組みを事前にアンケートなどで確認する必要性について
近年、企業や自治体がプロモーションを通じて発信した表現について、不快感を抱いた人が苦言を呈するなどして炎上に発展するケースが見られます。組織内で問題がないと判断したメッセージであっても、意図していなかった捉え方をする人がいることは十分にあり得るでしょう。こうした事態を避けるために、事前に調査を実施する必要があると感じるかお聞きしました。

画像8_1全体として「調査を行う必要がある」と感じる人は55.1%と、半数以上は必要性を感じていることがわかります。実際に企業などのCMやポスターがSNSで炎上する、といった事態が発生していることが影響している可能性も十分に考えられるでしょう。
事前に調査を行うべきだと考える人の割合が最も高かったのは16〜29歳女性(70.0%)でした。反対に事前に調査を行う必要性を感じない人の割合が最も高かったのは、30代・50代男性(いずれも56.0%)という結果が出ています。

 

■結果まとめ
どの問いに関しても、年齢・性別によって、回答者の認識にギャップがみられました。とくに16〜29歳の女性が他の層と比べて異なる見解・意見をもっているケースが多いようです。また、さまざまな取り組みの趣旨への理解は示すものの、自身に関係する問題として捉える場合には意見が変わる回答者も多くみられ、多様な考え方があることが見て取れます。

価値観が多様化した現代においては、企業・団体のインクルーシブな取り組みをどう捉えるかは千差万別です。生活者は多様な意見をもっていることを前提に、実施する取り組みについて事前に調査を実施し、さまざまな意見に耳を傾ける必要性が増しているといえるのではないでしょうか。



■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://neo-m.jp/research-service/netresearch/

■引用・転載時のクレジット表記のお願い
※本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」

■「ネオマーケティング」
URL:https://neo-m.jp/

ダウンロードしていただくと、リリースデータをPDFでご覧いただけます。